電源・ライト
防災用モバイルバッテリーは何mAh必要?容量の選び方
そなえカルテ編集部
2026/7/20
防災用のモバイルバッテリーは、スマートフォンを何台、何回充電したいかから容量を決めます。表示容量のすべてを端末へ移せるわけではないため、変換ロスを考え、余裕を持たせることが大切です。停電が長引くほど、容量だけでなく安全性や保管方法も重要になります。
mAhとWhの違いを知る
商品によって「mAh」と「Wh(ワット時)」のどちらで容量を表示している場合があります。リチウムイオン電池の定格電圧はおおむね3.7Vのため、次の式でおおよそ換算できます。
Wh = mAh × 3.7V ÷ 1,000
たとえば20,000mAhなら約74Whです。異なるメーカーの製品を比べるときや、後述する持ち出し時の注意点を確認するときに使う換算です。
容量の考え方
スマートフォンの電池容量が約4,000mAhの場合、単純計算では10,000mAhで2.5回ですが、実際には電圧変換やケーブルで損失があり、実際に移せる電力量は表示容量の6〜7割程度になることが一般的です。目安は次のように考えます。
表示容量 | 想定する用途 |
|---|---|
5,000mAh前後 | 1台の緊急用・日帰り用 |
10,000mAh前後 | 1台を複数回、または2台を補助 |
20,000mAh前後 | 家族で共有、数日分の余裕 |
端末の実容量とバッテリー製品の出力条件により回数は変わります。商品説明にある充電回数は、対象機種と試験条件を確認してください。
充電速度も確認する
容量だけでなく、出力(W数)も充電のしやすさを左右します。出力が小さい製品は満容量でも充電に時間がかかり、停電中に家族が順番待ちする時間が長くなります。PD(Power Delivery)やQC(Quick Charge)などの急速充電規格に対応しているか、手持ちのケーブルとコンセント形状が対応しているかも購入前に確認してください。
容量以外の確認点
手持ち端末に合うUSB端子とケーブル(Type-C、Lightningなど)
同時充電できる端子数(家族分を一度に充電できるか)
残量表示(LEDやデジタル表示で目視できるか)
PSEマークと販売事業者情報
大きさ、重さ、充電時間
家族の端末を一台へ集中させるより、10,000mAh級を複数に分けると、故障や持ち出しのリスクを分散できます。
PSEマークの表示は義務
経済産業省は2018年にモバイルバッテリーを電気用品安全法の規制対象とし、2019年2月1日以降、PSEマーク(丸形)のない製品の国内販売を禁止しています。内部ショートによる発煙・発火事故を防ぐための表示のため、フリマサイトや個人輸入品を含め、PSEマークと事業者名の表示があるか必ず確認してください。
高温・衝撃・膨張に注意する
リチウムイオン電池は、高温、強い衝撃、非純正の不適切な充電器などで発煙・発火することがあります。NITEは夏の車内など高温になる場所への放置を避け、膨張や異臭など異常があれば使用を中止するよう注意喚起しています。
残量を保った状態で保管する
リチウムイオン電池は満充電や空の状態で長期間放置すると劣化が進みやすいと言われています。防災用に置く場合も、半年に一度は残量を確認し、大きく減っていれば製品の取扱説明書に沿って充電してください。使わないからと箱にしまい込んだまま数年放置しないことが、いざというときに使える状態を保つポイントです。
定期的に残量を確認する
保管したままでも残量は減ります。半年ごとに本体とケーブルを点検し、メーカー推奨の残量・方法で充電します。停電時の使い方はスマートフォンの電池を長持ちさせる方法も確認してください。
持ち出し袋に入れる場合の注意
避難後に飛行機で移動する可能性がある場合、モバイルバッテリーは預け荷物に入れず必ず手荷物として持ち込む必要があります。航空会社ごとに個数やWh容量の上限が定められているため、遠方への広域避難を想定する家庭は、事前に利用予定の航空会社の規定を確認しておくと安心です。
よくある質問
何個くらい用意すればよいですか?
1人なら10,000mAh前後を1〜2個、4人家族なら20,000mAh級を1〜2個に加え、10,000mAh級を予備として分散して持つ方法が現実的です。全員分を1台に頼ると、故障や持ち出し忘れのときに困ります。
使用期限はありますか?
明確な「使用期限」の表示はない製品が多いですが、リチウムイオン電池は充放電を繰り返すごとに劣化します。膨張、異臭、極端な発熱、充電できないなどの異常が出たら買い替えを検討してください。
ソーラー充電器と組み合わせるべきですか?
長期停電に備えるなら有効な補助手段です。ただし天候に左右されるため、まずは満充電のモバイルバッテリーを用意し、その再充電手段としてソーラー充電器を検討してください。
まとめ
1台なら10,000mAh前後、家族共有や長期停電なら20,000mAh級または複数台が検討の出発点です。容量だけでなく、PSEマークなどの安全表示、出力、端子、保管温度、定期点検まで含めて選びましょう。