家の安全対策
冷蔵庫の転倒を防ぐには?固定方法と注意点
そなえカルテ編集部
2026/7/26
冷蔵庫は重く、地震で転倒・移動するとけがや避難経路の閉塞につながります。上部を壁の下地へベルトなどで固定し、周囲の配置も見直すことが基本です。
なぜ冷蔵庫の対策が後回しになりやすいのか
冷蔵庫は「重いから動かないだろう」と考えられがちですが、実際には自重が大きいぶん、倒れたときの衝撃と移動距離も大きくなります。東京消防庁の調査では、地震による負傷者の約3~5割が屋内の家具類の転倒・落下・移動によるものとされており、冷蔵庫のような大型家電も対象に含まれます。詳しくは家具転倒防止の基本も参考にしてください。
また、冷蔵庫は日常的に開け閉めするため「固定すると使いにくくなるのでは」という誤解から後回しにされがちですが、上部を壁側へベルトで連結する方法であれば、通常の使用に支障はほとんどありません。
置き場所を確認する
出入口や廊下へ倒れない位置か
寝る場所の近くにないか
開いた扉が避難を妨げないか
上に重い物を置いていないか
放熱に必要な隙間を確保しているか
固定しても絶対に動かないわけではないため、倒れた場合の影響を配置で減らします。特にキッチンから玄関・廊下へ抜ける動線上に冷蔵庫がある家庭は、避難経路の確保と合わせて置き場所を見直してください。
メーカーの固定方法を優先する
冷蔵庫の背面や上部には転倒防止ベルト用の取付部がある場合があります。取扱説明書で位置と指定器具を確認し、壁側は柱や下地など十分な強度のある部分へ固定します。石こうボードだけへねじを留めても強度が不足することがあります。
取扱説明書が手元にない場合は、型番からメーカーの公式サイトで電子版を確認できることが多いです。取付部の位置や耐荷重が分からないまま自己判断で穴を開けると、いざというときに固定金具ごと外れる恐れがあるため、必ず指定の方法に従ってください。
キャスター・脚部も確認する
調整脚を床へ接地させ、機種指定の方法で固定します。床材を傷めないマットを使う場合も、耐震性能が冷蔵庫の重量に合うか確認してください。上部ベルトと脚部対策を組み合わせると安定性を高められます。
耐震マットと突っ張り棒(ポール式)はそれぞれ向く対象が異なります。冷蔵庫のような重量物では、粘着マット単体では十分な効果を得にくいため、上部の固定を優先し、マットは補助として扱います。両者の違いは耐震マットと突っ張り棒の使い分けで詳しく解説しています。
固定方法を比較する
方法 | 特徴 | 向く場面 | 注意点 |
|---|---|---|---|
転倒防止ベルト(上部) | 冷蔵庫上部と壁下地をベルトで連結 | ほとんどの機種で最優先の対策 | 取付部の位置と耐荷重をメーカー説明書で確認する |
固定式ストッパー(脚部) | 脚の前方に挟み奥へ傾ける | 上部固定と併用する場合 | 単体では横揺れに弱い |
粘着マット | 底面と設置面を接着 | 補助的な滑り止め | 冷蔵庫のような重量物では過信しない、経年劣化する |
L字金具 | 壁下地へ直接ねじ止め | 賃貸以外で確実な固定を求める場合 | 下地が石こうボードのみだと強度不足になりやすい |
一種類だけに頼らず、上部と脚部で異なる方法を組み合わせるのが基本です。
自己施工が難しい場合
大型冷蔵庫は移動だけでも危険です。壁の下地が分からない、賃貸で穴を開けられない、持ち上げが必要な場合は、管理会社、販売店、専門業者へ相談します。
賃貸住宅では、原状回復の観点から穴あけ工事を管理会社が認めないこともあります。その場合は突っ張り棒やベルトなど、壁を傷めずに使える器具で代用できないか相談してください。
よくある失敗
上部だけ固定して脚部の対策を忘れる
放熱スペースを削って壁ぴったりに設置し、固定器具を取り付けられなくなる
冷蔵庫の上に電子レンジや炊飯器を重ねて置き、落下物を増やしてしまう
引っ越し後に固定をやり直さず、そのまま使い続ける
冷蔵庫の上に物を置く家庭は少なくありませんが、地震で落下すれば冷蔵庫本体だけでなく周囲の人にも危険が及びます。上には物を置かないか、軽く低いものに限定してください。
定期点検
掃除や買い替えで位置を変えた後、ベルトの緩み、金具のさび、壁側の浮きを点検します。全体の対策は部屋別の家具転倒防止で確認できます。
半年に一度を目安に、冷蔵庫を軽く前後に押してみて固定が効いているか確かめてください。特に大きな地震のあとは、目視だけでなく実際に揺らして確認することが重要です。
よくある質問
冷蔵庫の転倒防止ベルトはどこで買えますか?
ホームセンターやインターネット通販で購入できます。冷蔵庫の重量・奥行きに対応した製品を選び、可能であればメーカー純正または対応が明記された製品を使ってください。
賃貸住宅でも冷蔵庫を固定できますか?
壁に穴を開けない突っ張り棒式やストッパー式の器具であれば、多くの賃貸住宅でも使用できます。ただし取付方法によっては床や壁を傷める場合があるため、事前に管理会社へ確認すると安心です。
冷蔵庫が倒れて避難経路をふさいだらどうすればよいですか?
無理に動かそうとせず、まず身の安全を確保してください。別の避難経路がないか確認し、家族がいる場合は声をかけ合います。日頃から冷蔵庫が倒れても通路をふさがない配置にしておくことが最も有効な備えです。
まとめ
冷蔵庫はメーカー指定の取付部と強い壁下地を使って固定し、脚部対策も組み合わせます。出入口をふさがない配置にし、無理な施工は専門家へ依頼してください。固定後も半年に一度は緩みを点検し、安定した状態を保ちましょう。