家の安全対策
ガラス飛散防止フィルムは効果がある?貼るべき場所と注意点
そなえカルテ編集部
2026/7/26
飛散防止フィルムは、ガラスが割れたときに破片が広く飛び散るのを抑えるための対策です。ガラスが絶対に割れなくなるものではなく、窓枠・カーテン・家具配置と組み合わせてけがを減らすものと考えます。
なぜ窓ガラス対策が必要なのか
地震の揺れで窓ガラスが割れる原因は、ガラス自体の破損だけでなく、家具や物が衝突して割れるケースもあります。東京消防庁の調査では、地震による負傷者の約3~5割が屋内の家具類の転倒・落下・移動によるものとされており、家具がガラスへぶつかって割れることも含まれます。窓の近くに背の高い家具を置く場合は、家具転倒防止の基本も合わせて確認してください。
優先して検討する場所
寝室の窓
出入口や避難経路沿いのガラス
食器棚など家具のガラス扉
子どもが過ごす場所の窓
大きな家具がぶつかる可能性のある窓
割れた破片が床へ散ると、暗闇での避難を妨げます。まず寝室と玄関までの経路を確認します。避難経路の確保や寝室の地震対策と合わせて点検すると、対策の抜けを防ぎやすくなります。
フィルムの選び方
日本産業規格など性能表示を確認する
ガラスの種類と厚さに適合する
室内側へ施工する製品か確認する
防犯、遮熱、飛散防止の性能を混同しない
必要な施工技術と保証を確認する
網入り、複層、Low-Eなど特殊なガラスは、フィルムによる熱割れの可能性があります。ガラスメーカーとフィルムメーカーの適合表を確認してください。
JIS規格の見方
飛散防止フィルムの性能は、JIS A 5759(建築窓ガラス用フィルム)という日本産業規格で試験方法や区分が定められています。この規格は建物の窓・出入口などに使うガラス用フィルムを対象としており、飛散防止フィルムのほか、防犯性能を高めるガラス貫通防止フィルム、遮熱性能を持つ日射調整フィルムなど、目的別に区分されています。製品選びの際は、パッケージや製品資料にこの規格への適合が明記されているかを確認すると、性能を比較しやすくなります。
日本産業規格「JIS A 5759:建築窓ガラス用フィルム」
フィルムの種類と目的を混同しない
種類 | 主な目的 | 地震対策としての位置づけ |
|---|---|---|
飛散防止フィルム | 割れたガラスの破片飛散を抑える | 地震・台風対策の中心 |
ガラス貫通防止フィルム | こじ破りなど防犯性能を高める | 防犯目的が中心、飛散防止を兼ねる製品もある |
日射調整・遮熱フィルム | 紫外線・熱の透過を抑える | 省エネ目的が中心、飛散防止性能は製品による |
同じ「窓ガラスフィルム」でも目的が異なるため、地震対策を主眼にする場合は飛散防止性能が明記された製品を選んでください。
施工の注意
気泡や端部の浮きがあると性能を十分に発揮できない場合があります。大きな窓、高所、特殊ガラスは専門業者への依頼を検討します。賃貸住宅では管理者へ確認してください。
DIYで施工する場合は、ガラス面の油分やほこりを十分に落とし、施工時の室温や湿度が製品の指定範囲内であることを確認します。気泡が残ると、そこから剥がれや破損の起点になることがあります。
カーテンと履物も用意する
厚手のカーテンやブラインドは破片の飛散を抑える補助になります。寝室には底の厚い履物とライトを置き、割れたガラスの上を素足で歩かないようにします。
カーテンは就寝中も閉めておくと、破片の飛散方向を室内側で抑えやすくなります
底の厚いスリッパや靴は、フィルムを貼っていない窓の近くでも有効です
ガラス片でけがをした場合に備え、家庭用救急箱に止血用のガーゼや消毒液を用意しておくと安心です
よくある失敗
寝室や避難経路の窓を後回しにし、リビングだけ施工して満足してしまう
防犯フィルムと飛散防止フィルムを混同し、地震対策として不十分な製品を選ぶ
施工後に気泡や浮きを放置し、劣化に気づかない
ガラス扉付きの食器棚など、窓以外のガラスを見落とす
よくある質問
飛散防止フィルムを貼ればガラスは割れなくなりますか?
割れにくくする効果はありますが、絶対に割れないわけではありません。目的は割れた破片が広範囲に飛び散るのを抑えることです。カーテンや履物の準備と合わせて、けがを減らす対策として考えてください。
賃貸住宅でも自分でフィルムを貼ってよいですか?
退去時の原状回復に関わる場合があるため、施工前に管理会社や大家へ確認してください。剥がしやすいタイプの製品を選ぶ、目立たない場所で試すなどの配慮も有効です。
すべての窓に貼る必要がありますか?
理想的にはすべての窓が望ましいですが、費用や手間を考えると、寝室・避難経路沿い・子どもがいる部屋の窓から優先的に進めるのが現実的です。
まとめ
飛散防止フィルムは、割れを防ぐのではなく破片の拡散を抑える対策です。避難経路と寝室を優先し、ガラス種類に適合する製品を正しく施工しましょう。JIS規格の表示を確認し、カーテンや履物の準備も組み合わせることで、けがのリスクをさらに減らせます。