家の安全対策
感震ブレーカーとは?地震火災を防ぐ仕組みと選び方
そなえカルテ編集部
2026/7/26
感震ブレーカーは、一定以上の揺れを検知すると自動的に電気を遮断し、停電から復旧したときの通電火災などを抑えるための機器です。通常の漏電ブレーカーとは目的が異なります。
なぜ電気火災の対策が重要なのか
大きな地震のあとに起こる火災の中には、停電が復旧した際に、破損した電気配線や倒れた電気製品へ通電し、そこから発火する「通電火災」が含まれます。過去の大地震では、出火原因が特定された火災のうち電気に関係するものが大きな割合を占めたことが報告されています。例えば阪神・淡路大震災では、出火原因が特定された火災のうち約61%が電気関係の出火だったとされています。避難のために家を離れる際にブレーカーを落とせればよいのですが、揺れの直後は多くの人がそれどころではなく、避難を優先せざるを得ません。感震ブレーカーは、こうした「切り忘れ」を機械的に防ぐための備えです。
新潟市消防局「地震による電気火災を未然に防ぐために、感震ブレーカーを設置しませんか」
主な種類
分電盤タイプ
分電盤へ内蔵または追加し、住宅全体の電気を遮断します。電気工事が必要な製品があります。
コンセントタイプ
特定のコンセントへの給電を遮断します。対象機器を限定できます。
簡易タイプ
揺れでおもりが落ちるなどしてブレーカーを操作します。比較的導入しやすい一方、製品ごとの作動条件と設置方法を確認する必要があります。
タイプ別の比較
タイプ | 工事の要否 | 遮断範囲 | 向く住宅 |
|---|---|---|---|
分電盤タイプ(内蔵型) | 電気工事士による工事が必要 | 住宅全体 | 新築・リフォーム時にまとめて導入したい家庭 |
分電盤タイプ(後付け型) | 製品による(工事が必要な場合が多い) | 住宅全体 | 既存の分電盤に対策を追加したい家庭 |
コンセントタイプ | 基本的に工事不要 | 対象コンセントのみ | 特定の家電だけ対策したい家庭、賃貸住宅 |
簡易タイプ | 工事不要 | ブレーカー単位 | 費用を抑えて導入したい家庭 |
工事が必要なタイプほど遮断範囲が広く確実になりますが、初期費用と導入までの手間が増えます。まずは簡易タイプやコンセントタイプで様子を見て、必要に応じて分電盤タイプへ切り替える家庭もあります。
選ぶ前に考えること
停電すると困る機器があるか
夜間に照明まで即時停止する危険
在宅医療機器への影響
分電盤の種類と設置場所
自治体の補助制度
分電盤タイプには、避難用照明の時間を確保してから遮断する機能を持つものもあります。家庭の状況を電気工事業者へ伝えて選びます。
在宅酸素療法などの医療機器を使用している家庭では、停電の影響が命に関わることがあります。感震ブレーカーの設置可否や遮断範囲の設定について、事前にかかりつけ医療機関や機器メーカー、電気工事業者と相談してください。
設置後の準備
足元灯・懐中電灯を各所に置く
作動後の復旧手順を家族で確認する
地震後は電熱器具のスイッチを確認する
配線や器具に異常がないことを確認してから復電する
焦げ臭さ、損傷、浸水がある場合は自分で復電せず、電気工事業者や電力会社へ相談してください。
感震ブレーカーが作動すると、照明や冷蔵庫を含めた家庭内の電気が一斉に止まります。停電中も情報収集や連絡ができるよう、停電時に備える防災ラジオやモバイルバッテリー・ポータブル電源も合わせて備えておくと安心です。
感震ブレーカーだけでは防げないこと
感震ブレーカーはあくまで電気火災の抑制策であり、ガス機器や火気による火災、家具の転倒によるけがまでは防げません。消火器の備えや家具の転倒防止対策、避難経路の確保と組み合わせて総合的に備える必要があります。初期消火の備えについては家庭用消火器の選び方も参考にしてください。
よくある質問
感震ブレーカーが作動すると家電は壊れませんか?
通常の使用であれば、感震ブレーカーの作動自体が家電を壊すことはほとんどありません。ただし、パソコンなど作動中に電源が切れることでデータが失われる機器がある場合は、無停電電源装置(UPS)の利用も検討してください。
分電盤タイプと簡易タイプ、どちらを選べばよいですか?
確実に住宅全体を遮断したい場合は分電盤タイプが向きますが、工事費用や手間がかかります。まず手軽に導入したい場合は簡易タイプやコンセントタイプから始め、必要に応じて分電盤タイプへの切り替えを検討するとよいでしょう。
自治体の補助金はどこで確認できますか?
多くの自治体では防災関連の補助制度を防災課や危機管理課のホームページで案内しています。感震ブレーカーの設置補助を実施している自治体もあるため、お住まいの市区町村の公式サイトや窓口で確認してください。
まとめ
感震ブレーカーは地震時の電気火災を抑える対策です。阪神・淡路大震災では出火原因が特定された火災の約6割が電気関係だったとされており、通電火災への備えとして重要性が示されています。医療機器や夜間照明への影響を含めて種類を選び、設置後はライトと復旧手順、そして消火器や家具転倒防止といった他の対策も合わせて準備しましょう。