トイレ
携帯トイレと簡易トイレの違いは?家庭に向くタイプを解説
そなえカルテ編集部
2026/7/26
災害用トイレには、既存の便器へ袋を取り付ける携帯トイレと、便座自体を組み立てて使う簡易トイレがあります。自宅の便器が無事なら携帯トイレ、便器が使えない場所や避難先も想定するなら簡易トイレを補助的に備えるのが基本です。
このガイドラインでは、災害時に使うトイレを「携帯トイレ」「簡易トイレ」「仮設トイレ」「マンホールトイレ」の4種類に分類しています。仮設トイレとマンホールトイレは主に自治体が避難所や屋外に設置するものなので、家庭で備えるのは携帯トイレと簡易トイレが中心になります。
携帯トイレ
便器へ便袋をかぶせ、凝固剤や吸水シートで排泄物を処理する方式です。既存の洋式便器に取り付けて使うタイプで、電気・水なしで使用できます。
収納場所を取りにくい
自宅の洋式便器を便座として使える
1回分ずつ数えやすい
比較的安価で、少ないスペースで保管できる
便器が破損・転倒していると使いにくい
在宅避難の中心になるため、まずは人数別に必要回数を計算し、便袋、凝固剤、防臭用の外袋をそろえます。選び方の詳しい確認ポイントは非常用トイレを選ぶときの確認ポイントにまとめています。
簡易トイレには2つのタイプがある
「簡易トイレ」とひとくくりに呼ばれる製品にも、内閣府のガイドラインでは大きく2つのタイプが挙げられています。
据え置き型(ポータブルトイレ型)
介護用のポータブルトイレのように、便座と処理機能が一体になったタイプです。手すりが付いている製品もあります。
水なしで使用できるが、電気が必要な製品もある
室内に置ける小型サイズで、持ち運びできる
汚物の処理方式には、凝固剤で固める「ラッピング」のほか、「コンポスト」「乾燥・焼却」などがある
製品によって電気の確保など、利用上の留意点が異なる
腰やひざに不安があり、和式便器や段差のある簡易トイレを使いにくい人には、このタイプが向いています。
組立式(段ボール・樹脂製など)
段ボールや樹脂製の組み立て式便座に便袋を取り付けて使うタイプです。
電気・水なしで使用できる
比較的安価で、少ないスペースで保管できる
持ち運びが簡単で、家族や仲間と共有しやすい
便器がない場所や洋式便器がない場所でも、段ボール・新聞紙・テープを使って自作できる
車庫やテントなど、便器がない場所で使う場合や、和式便器しかない住戸で洋式スタイルに近づけたい場合に役立ちます。高齢者や足腰に不安がある人が使う場合は、便座の高さ、手すり、転倒しにくさを確認してください。
どちらを備えるか
家庭の状況 | 優先するもの |
|---|---|
自宅の洋式便器を使う想定 | 携帯トイレ |
便器破損にも備えたい | 携帯+簡易トイレ |
車中避難を想定 | 安定した簡易トイレ |
介助が必要な人がいる | 高さ・手すりを確認した簡易トイレ |
自宅が和式便器のみ | 組立式の簡易トイレ |
どちらも排泄後の袋を密閉して保管する点は同じです。製品名より、家族が設置・使用できるかを平常時に試してください。実際に試す手順は非常用トイレを実際に試すべき理由と確認手順で解説しています。
和式便器の家庭は組み合わせを考える
内閣府のガイドラインでは、既設トイレを災害用トイレとして使う際の工夫として、次の方法が示されています。
洋式便器の場合:便座にビニール袋をかぶせて固定し、その上に携帯トイレの便袋を取り付けて使用する
和式便器の場合:まず便器の上に板や段ボールなどを置いて封鎖し、その上に組立式の簡易トイレを設置して使用する
自宅の便器が和式の場合、携帯トイレの便袋をそのまま取り付けられないことがあります。事前に自宅の便器の形式を確認し、和式なら組立式の簡易トイレも備えておくと安心です。必要な付属品は非常用トイレと一緒に必要なものでも確認できます。
屋外に設置する場合は転倒対策も必要
簡易トイレをベランダや庭など屋外に設置する場合、テントや上屋と組み合わせて使うことがあります。東日本大震災では、屋外に設置された組立トイレとテントが強風により転倒した例が複数の被災地で報告されており、千葉県浦安市でも強風で組立トイレが壊れた事例が確認されています。内閣府「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」
屋外で使う場合は、風でテントや簡易トイレが倒れないよう、重り、ペグ、固定用ロープなどを一緒に準備し、強風時は使用を控えるといった判断も必要です。マンションのベランダで使う場合は、避難経路をふさがないかも確認してください。詳しくはマンションで断水したらトイレはどうする?も参考にしてください。
よくある質問
携帯トイレと簡易トイレ、両方そろえる必要がありますか?
多くの家庭では、まず携帯トイレを必要回数分そろえることが優先です。自宅の便器が破損する可能性や、和式便器しかない場合、介助が必要な家族がいる場合は、簡易トイレも1台追加すると安心です。
簡易トイレは何日分用意すればよいですか?
簡易トイレは携帯トイレを使えないときの補助という位置づけが基本なので、必ずしも1週間分をそろえる必要はありません。便袋・凝固剤は携帯トイレと同じ1人1日5回・最低3日分、できれば1週間分を目安に、便座部分は家族の人数分より少なくても運用できます。
段ボール製の簡易トイレは自分で作れますか?
段ボール、新聞紙、テープなどを使って自作することもできます。ただし、耐荷重や安定性は市販品より劣る場合があるため、平常時に一度作って座ってみて、強度を確認しておくと安心です。1人暮らしなど備蓄をこれから始める場合は、一人暮らしの防災グッズも参考にしてください。
まとめ
多くの家庭では携帯トイレを必要回数分そろえるのが第一歩です。便器が使えない事態や家族の身体状況、和式便器しかない住戸かどうかも考え、必要なら簡易トイレを1台追加しましょう。使用済みトイレの保管場所や凝固剤以外に必要な用品も合わせて確認してください。