防寒・暑さ対策
冬の停電対策に必要なものは?暖房が使えない場合の備え
そなえカルテ編集部
2026/7/26
冬の停電では、暖房停止に加えて照明・給湯も使えなくなる可能性があります。一つの部屋へ集まり、衣類と寝具で体の熱を逃がさず、安全な代替暖房だけを使うことが基本です。
体を冷やさない工夫
重ね着し、首・手首・足首を覆う
床からの冷えをマットや毛布で防ぐ
家族が安全な一室へ集まる
カーテンを閉め、隙間風を抑える
濡れた衣類を早く着替える
温かい食事や飲み物を安全に取る
首・手首・足首は皮膚に近い場所を血管が通っており、ここを覆うだけでも体感温度が変わります。複数の部屋を暖めようとせず、家族が一室に集まって体温を寄せ合うほうが、限られた暖房・防寒用品を効率よく使えます。寝袋と毛布の選び方は寝袋と毛布はどちらが防災向き?で解説しています。
備えておくもの
品目 | ポイント |
|---|---|
防寒着、帽子、手袋、厚手の靴下 | 重ね着で空気の層を作る |
毛布、寝袋、断熱マット | 床からの冷気を防ぐ |
カイロ、湯たんぽ | 低温やけどに注意(必要数の目安) |
風よけ・保温の補助として | |
ランタンと乾電池 | |
カセットコンロとボンベ | 調理・湯沸かしに(ボンベの備蓄量) |
調理不要の食品と水 | 水は1人1日3リットルが目安 |
温度計 | 室温を数値で確認する |
乳幼児、高齢者、持病のある人は低体温になりやすいため、室温と反応をこまめに確認します。
燃焼器具による一酸化炭素中毒を防ぐ
屋外用の発電機、炭、バーベキュー器具を室内や換気の悪い場所で使ってはいけません。石油・ガス暖房は停電時に使える製品でも、説明書どおりの換気と安全距離が必要です。就寝中の使用条件も確認してください。
東京消防庁によると、住宅・共同住宅における一酸化炭素中毒事故は令和2年から令和6年までの5年間で30件発生しており、1月(8件)と12月(6件)に集中しています。原因は七輪・火鉢・囲炉裏など炭を使う器具や、調理器具・暖房器具が中心で、搬送された人の半数以上が中等症以上の重症度でした。停電時に発電機を使う場合は、排気ガスが屋内へ逆流しないよう、出入口や窓などの開口部から離れた風通しのよい場所で使用します。
東京消防庁「住宅で起きる一酸化炭素中毒事故に注意!」 消費者庁「停電時の発電機によるCO中毒や、復旧後の通電火災に注意!」
暖房方法の使用可否の目安
暖房方法 | 室内での使用 |
|---|---|
電気毛布・電気カーペット(停電時は使用不可) | 通電時のみ使用可(就寝時は高温設定を避ける) |
石油・ガスストーブ(対応製品) | 説明書の換気条件を守れば使用可 |
カセットガスストーブ | 換気しながら短時間の使用にとどめる |
発電機、炭・七輪、バーベキューコンロ | 室内では使用不可(屋外の風通しがよい場所のみ) |
低温やけどに注意する
カイロや湯たんぽは心地よく感じる温度でも、同じ部位に長時間触れ続けると低温やけどを起こします。消費者庁によると、44℃では3〜4時間、46℃では30分〜1時間、50℃では2〜3分の接触で皮膚が損傷を受けるとされています。高齢者の低温やけど事故119件のうち原因製品として最も多かったのはカイロ(28件)で、湯たんぽ(19件)、ストーブ類(18件)、電気毛布・あんか(12件)が続き、10件(8.4%)が入院治療を要しました。
肌へ直接貼らない
就寝中はカイロを使用しない、湯たんぽ・あんかは布団から出す
ベルトや体重で強く圧迫しない
同じ場所へ長時間当て続けない
乳幼児、高齢者、感覚の鈍い人は特に注意する
消費者庁「高齢者のやけどに御注意ください!」 厚生労働省「低体温症に注意しましょう」
カイロの必要数の考え方は防災用カイロは何個備蓄すべき?で詳しく解説しています。
家族構成で変わる注意点
乳幼児:自分で衣類を調整したり、寒さを言葉で伝えたりできません。手足の冷たさや顔色をこまめに確認し、カイロを直接触れさせないようにします。
高齢者:寒さや低温やけどの痛みを感じにくく、対応が遅れがちです。同居家族が定期的に室温と皮膚の状態を確認してください。
低体温症の兆候
強い震え、動作の鈍化、受け答えがおかしい、眠気などが見られたら、濡れた服を脱がせ、毛布などで保温し、救急相談・救急要請を検討します。意識が悪い人へ無理に飲食させません。
よくある質問
停電中に電気毛布や電気カーペットは使えますか?
停電中は電源が入らないため使用できません。通電が復旧してから使う場合も、就寝時は高温設定のまま眠らないなど、低温やけどを防ぐ使い方を守ってください。
発電機はベランダなら使っても大丈夫ですか?
ベランダのような半屋外でも、排気ガスが窓や換気口から室内へ逆流するおそれがあります。出入口や窓などの開口部から離し、風通しのよい屋外で使用してください。
カイロと湯たんぽ、どちらを優先して備えればよいですか?
カイロは軽く持ち出しに向き、湯たんぽは繰り返し使えて経済的という違いがあります。在宅避難では両方を併用し、量の目安は防災用カイロの備蓄数を参考にしてください。
まとめ
冬の停電は重ね着、床断熱、寝具を中心に備えます。屋外用燃焼器具を室内で使わず、カイロや湯たんぽは低温やけどの温度・時間の目安を踏まえて使用し、低体温の兆候があれば早めに医療へつないでください。