家の安全対策
マンション住まいの防災対策|断水・停電・排水への備え
そなえカルテ編集部
2026/7/20
マンションでは建物が無事でも、停電でエレベーターや給水ポンプが止まり、排水管の安全確認までトイレを使えないことがあります。住戸内の備蓄と、管理組合・建物全体のルール確認を両方行います。
マンションと戸建てで注意点が異なる理由
マンションは構造上、専有部分だけでなくエレベーター、給水ポンプ、排水管などの共用設備に生活が依存しています。専有部分の備えを万全にしても、共用設備が復旧しなければ生活は成り立ちません。そのため、自宅の備蓄に加えて、建物全体の防災ルールを事前に把握しておくことが戸建て以上に重要になります。戸建ての注意点は戸建て住宅の防災対策を参照してください。
水と運搬
高層階では給水所から階段で水を運ぶ負担が大きくなります。飲料・調理用水を1人1日3リットル、できれば7日分置き、折り畳み給水袋や小分け容器も用意します。水1リットルは約1キログラムのため、7日分(1人21リットル)を階段で運ぶには相応の体力が必要です。高層階に住む世帯ほど、水を多めに備蓄して運搬の回数を減らす、あるいは2リットルより軽い500ミリリットルの容器を混ぜて分割運搬しやすくするなどの工夫が有効です。容器サイズの選び方は保存水は2リットルと500ミリリットルのどちらがよい?を参考にしてください。
水の必要量そのものの考え方は家庭の水備蓄はどれくらい必要?、世帯人数ごとの計算は一人暮らしの防災グッズや4人家族の防災備蓄も参照してください。
排水管の確認までトイレを流さない
地震で排水管が損傷すると、上階からの汚水が下階へ漏れる可能性があります。管理会社から使用可能と案内されるまで携帯トイレを使います。
具体的な手順はマンションで断水したらトイレはどうする?を参照してください。携帯トイレは1人1日5回分を目安に、最低3日、できれば7日分を備えます。使用後の袋をどこに保管するかも、排水管の使用再開まで日数がかかることを想定して決めておきます。
停電とエレベーター
エレベーターが停止する前提で、各階や住戸にライトを置き、持ち出し品を背負える重量にします。閉じ込められた場合は無理に脱出せず、非常ボタンやインターホンで連絡します。自力でドアをこじ開けようとすると、機械が動き出した際に挟まれるなどの危険があるため、救助が来るまで待つことが基本です。
停電中の照明・情報収集の備えは防災用ランタンは何個必要?、モバイルバッテリーの容量目安、季節ごとの停電対策は夏の停電を乗り切る方法、冬の停電を乗り切る方法も参考にしてください。
家具とバルコニー
家具転倒で玄関をふさがない配置にします。バルコニーの隔て板、避難ハッチ、通路へ物を置かず、避難方法を管理規約で確認します。高層階では家具の転倒だけでなく、地震の揺れが上層階ほど大きくなりやすい点にも注意が必要です。テレビや冷蔵庫など重量のある家電は固定を徹底してください。
管理組合へ確認すること
建物の防災マニュアルと連絡網
排水管の点検・使用再開手順
備蓄倉庫と住民への配布方法
在宅避難者の安否確認
使用済み携帯トイレの回収方法
管理組合や理事会に確認事項がまとまっていない場合は、自治会・管理組合の総会や掲示板で防災マニュアルの有無を尋ねてみるとよいでしょう。年に一度の防災訓練がある建物では、実際にエレベーター停止時の階段避難や、備蓄倉庫の場所を確認しておくと、発災時に落ち着いて行動しやすくなります。
収納スペースが限られる場合の工夫
マンションは戸建てに比べて収納スペースが限られがちです。玄関収納、キッチン下、寝室のクローゼットなど複数箇所に少量ずつ分散すると、一箇所が家具の転倒などでふさがれても他の場所から取り出せます。防災用品の収納場所に、住戸内のどこに何を置いたかを記録しておくと、家族の誰でも取り出せる状態を保てます。
よくある質問
高層階は何階から備蓄を増やすべきですか?
明確な基準はありませんが、エレベーターが止まると階段の往復が大きな負担になるため、階数が上がるほど水や食料を多めに、できれば7日分を目標に備えることをおすすめします。特に給水の運搬回数を減らせるよう、水は優先的に多めに確保してください。
排水管が大丈夫か分からないときはどうすればよいですか?
自己判断でトイレを流さず、管理会社や管理組合からの案内を待ちます。案内が来るまでは携帯トイレを使い、判断に迷う場合は下の階の住戸に確認するか、自治体・管理会社へ問い合わせてください。
賃貸マンションでも管理組合と同じ確認は必要ですか?
賃貸の場合は管理組合ではなく管理会社や大家に確認します。防災マニュアルの有無、備蓄倉庫の場所、排水管の点検手順など、確認する内容自体は分譲マンションと同じです。
まとめ
マンション防災は水の運搬、排水、エレベーター、共用避難設備が要点です。1週間分の住戸内備蓄を確保し、管理組合の運用を平常時に確認してください。収納を分散し、高層階ほど水・食料を多めに備えることも意識しましょう。